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プロ・実業団・クラブチーム
ライフル射撃 髙橋駿平

企業×アスリート
ライフル射撃 髙橋選手

ライフル射撃「10mエアピストル競技」の選手として

秋田県横手市にて総合物流サービスを提供している「ヨコウン株式会社」に、オリンピックを目指しているアスリートがいるという話を耳にした。
社員の一員として経営企画部に所属しながらライフル射撃のエアピストル競技に取り組む、髙橋駿平選手のことだ。
「構える姿勢は簡単に取れそうに見えると思うんですが、この基本の姿勢も練習しないと取れないんですよ」
そう教えてくれた髙橋選手。オリンピック競技にもなっているライフル射撃だが、その競技内容については知らない方も多いのではないだろうか。
髙橋選手が取り組む「10mエアピストル競技」は圧縮空気で弾を発射する単発ピストルが用いられ、10m先の標的を片手で狙う。競技時間は1時間15分。
その間に10発を1シリ-ズとして6シリーズ行い、合計60発の得点から順位を決定する。
集中力の持続性と正確な照準、撃発が要求されるこの競技。銃を保持する手と引き金を引く手が同じであり、いかに静かに引き金を引くことができるかが勝負を決する。
「力みや小さな揺れが疲れに繋がって負の連鎖を生んでしまう。1試合で60発撃ち続けるため、動作の再現性を高める必要があります。さらに決勝まで勝ち進むには、試合の度にそれを繰り返さなければならない。試合中は心の葛藤との戦いです。自分への苛立ちでも喜びでもダメになってしまうので、感情のコントロールが必要ですね」

ライフル射撃 髙橋駿平

競技と出会ったきっかけ

髙橋選手がライフル射撃を始めたのは元警察官の父親の影響だった。
世界選手権に参加するほどの腕前だった父親をきっかけに始めた射撃競技は楽しく、小学生の頃は水泳や野球にも力を入れていたが、徐々に射撃に夢中になっていった。中学3年生から国体へ出場できると知った中学1年生の時、取り組む競技を射撃ひとつに絞る。このように小学生から社会人となった現在に至るまで競技を続けてきた中で、近年特に強く思うことがあると言う。
「お世話になった方々に恩返しをしていきたいと思っています。小学生の頃から所属していた秋田県ライフル射撃協会で付きっきりで教えてくれたコーチに、まずお礼が言いたいです。高校生になって海外遠征に行き始めた時にお金の支援をしてくれた協会にも恩を返したい。県外や海外に行けることはありがたく、若い頃からこの思いは持っていました。最近は、もっと地域へも恩返しがしたいという気持ちが生まれてきて。学校の先生や関係するところ全てに恩を返していくことで私自身の人生も豊かになると、自分が成長していく過程で少しずつ思えてきました。東京ではレベルの高い技術を得ることができましたが、自分の基盤を築いてくれたのは秋田県ですから、秋田へ恩返しができればと思っています」

ライフル射撃 髙橋駿平

「恩返し」を心に決めて

ヨコウン株式会社に入社してから、その思いは更に強くなっている。会社から支えられつつアスリートとして射撃競技に打ち込む一方、経営企画部の一員として採用や様々な企画立案に携わる髙橋選手。仕事をする中で食品業界や自動車業界など幅広い知識が身につき、成長と感謝の気持ちが強まる良いループが生まれている。
「ライフル射撃のコーチの資格を持っていて教える立場でもあるんですが、教え子に対しても社会人としての経験を伝えることが出来ているため、アスリートとしても社会人としても会社には本当に感謝しています。会社への恩返しは地域への恩返しに繋がってくると思うので、社会人としても新たな地域貢献、恩返しをしていきたいですね」
オリンピック選手になるというアスリートとしての未来も忘れてはいない。
「オリンピックに出場して金メダルを獲る。何歳になってもその目標を狙っていきたいと思っています。そして教え子にも競技を長く続けてもらってオリンピックに出てもらいたい。教え子と一緒にオリンピックに出場、それが叶ったら最高の人生ですね」

ライフル射撃 髙橋駿平
ヨコウン株式会社 経営企画部
髙橋駿平
Shunpei Takahashi
1996年12月4日生まれ
秋田県秋田市出身
出身校 / 東洋大学

全日本社会人ライフル射撃競技
選手権大会 AP60種目にて優勝
(2023年10月26日〜29日、大分県由布市で開催)

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