秋田ノーザンハピネッツ特別対談
古川孝敏×赤穂雷太

2024.02.20

ーーー子どもの頃の育った環境とバスケを始めたきっかけを教えてください
古川　神戸出身と言いつつも生まれは東京で、小学校低学年で神戸に行きました。バスケを始めたのは小学4年生。母子家庭でバスケットをやらせてもらって。
赤穂　自分は石川県の七尾市出身です。バスケを始めたきっかけは、両親がバスケをやっていたので小さい頃から競技に関わってて。小学１年生からバスケを始めています。
古川　エリートでしょ！？
赤穂　でもお遊びですよ。
古川　兄妹は２人とも姉だったっけ？
赤穂　姉、双子の妹、一番下の妹の4兄妹です。
（※姉と双子の妹は女子バスケットボール選手。2014年仁川アジア大会銅メダリストの赤穂さくら選手と、現日本代表の赤穂ひまわり選手）

ーーー2019年シーズンから在籍している古川選手、今シーズン新入団した赤穂選手。おふたりが秋田ノーザンハピネッツを選んだ理由は？
古川　ケンゾーさん（前田HC）がいたからというのと、誘ってもらえて嬉しかったのと。31歳とか32歳で秋田に来て、今までは自分のパフォーマンスを最大限出すことを考えてきたけど年齢的にも周りの人たちに伝えていく歳になってきたし、ここだったら自分も成長できるかなという思いもあった。チームとしては正直強くなかったけど、今いる選手とプレーするのは楽しそうだなと思った。経験が少ない選手がいっぱいいて、経験を伝えていきながら秋田を強くしていけたらと思い来ました。
赤穂　ケンゾーさんのバスケが好きで来ました。
古川　俺がいたからでしょ、流れ的には（笑）
赤穂　本当にケンゾーさんのバスケが好きだったので。ケンゾーさんに誘われたのが嬉しくて来ました。

ーーー古川選手はスポーツ選手として20代から現在まで年齢を重ねた中で、考え方の変化はありますか？
古川　20代の若い頃は自分中心に、夢中で自分がどうなりたいかっていうことを考えながらやってきた。
今は「上手くなりたい」っていう気持ちは変わらず持ちつつ、日本代表の活動に参加した経験なんかを若い選手に伝えていくことや、秋田としていいものを作り上げるために自分に何ができるのかを考えていて。かなり大きく変化してきました。
ただその中で、年齢を重ねた分あんまり新しいことは出来ないかな。肉体的にもしんどいかなというのを正直感じる。
でもまだこの年齢でも、もっともっと上手くなっていく要素がたくさんあるんだなと感じた昨シーズンでもあった。
自分のキャリアが続く限りは、年齢関係なく上手くなりたいし、そしてチームのために周りに目を向けることを意識してやっていけたらと考えています。

ーーー赤穂選手が、先輩から吸収していることとは？
赤穂　練習ひとつにしても、一番早く来て準備に時間を掛けているのはフルさんで、そういうところもホント見習わないとと思います。
自分はまだ初めてのことが多いので困ったらフルさんに聞きに行って解決できることが多い。とてもありがたい存在で、どんどん吸収していきたいなと思ってます。
プレーでは自分のフィニッシュのレパートリーが少ないと思ってるんですけど、フルさん見てたらフィニッシュすごい上手いんで、全部盗んでやろうという気持ちが大きいです。
古川　身体を活かしたプレーをする、まずは身体をぶつける！ずっと言ってるよね。ファールも獲ったら勝ち。
赤穂　はい。

ーーー幸せを感じる瞬間は？
古川　ドーナツを食べてる時。いつもは揚げ物を絶って摂生していて、ドーナツは揚げてるし甘いし普段は食べない。でも最近気づいて、実はドーナツが好きと（笑）
もうひとつ、つい最近実は海鮮丼が好きなんだと気付いて。「俺、海鮮丼好きじゃん」みたいな（笑）
休みの日にそういうのを食べたりとかしてる時に幸せを感じるかな。
赤穂　自分は、ご飯食べている時。
古川　基本、白飯好きでしょ！
赤穂　はい。
古川　サキホコレ美味しいから、食べて。
赤穂　自分ずっとそれです。
古川　美味しいでしょ！ちょっと高いけど。
赤穂　ふるさと納税で頼んで。
古川　ふるさと納税！？（笑）秋田にめちゃくちゃ貢献してんじゃん。

ーーー弱点、劣等感はありますか？
古川　足の裏が弱いですね、くすぐられて。そういうことじゃないですね（笑）
赤穂　聞かれてるのはそういうことじゃないと思ったけど誰も想像してない答えが来ましたね（笑）
古川　メンタルは強くない、っていうのは自分では思ってます。あとは最近涙腺が崩壊し過ぎる。年齢を重ねてすぐ泣いたり。
赤穂　最近、何で泣きました？
古川　バスケ日本代表の試合見た時に泣きそうになった。W杯ドイツ戦かな。勝ったからというよりは、思い起こすと色々あるな、と思って（笑）
赤穂　（笑）　自分はそれこそメンタルだと思います。もっと自分を出してもいいのかなとすごく思います。どっちかって言うと遠慮しがちなので。
普段の生活では良くても、バスケになると良くないのでしっかり殻を破っていければいいなと思います。

ーーーどういう人をカッコイイと思いますか。
古川　俳優の山田孝之さん。俺は男は男らしいのが良いって思うし、それもあるから自分はこうなっちゃったんですけど。山田孝之さんの髭の生えたりしてるあの感じで、くだらないこともやるでしょ。もちろん真面目な感動を与えるすごい演技をして、とかオールジャンルやってるみたいな。自分がそういう風になりたいわけじゃないけど、ああいうのがすごくカッコイイなと思う。男でも憧れる人だな。
赤穂　自分は元阪神の野球選手の金本選手です。ずっと憧れの選手だったので。ちょっと根性論なんですけど、怪我しても試合出続けるみたいな、そういう人に憧れるっす。骨折してもヒットを打つ、みたいな。昔ながらの人が自分は好きです。
古川　なるほど。俺は野球選手ならイチロー選手が好きだな。自分のことをちゃんとコントロールしつつ、色んなことに目を向けてやれることがすごいなぁと思うし、自己分析力が高いんだなって。ああいう選手はすごいなと思う。

ーーーネガティブな気持ちの切り替え方は？
古川　むしゃくしゃしたりとか、ちょっと嫌なことがあったりとか、悩んだりしている時は、どっちかって言うと一人でいたくないかな。誰かといた方がいい。
正解を求めたいとか愚痴を吐きたいというよりも、同じ共有のイメージを持てたりとか、一緒に考えられるような話しをしてくれる人がいてくれたらいいと思う。だから、一人でいるよりは誰かといた方が気は楽かなぁ。
赤穂　自分は一人でご飯食べて、寝たら忘れます。
古川　何も考えてないかもしれないです（笑）
赤穂　嫌なことがあったら、考えないですね本当に。一日経ったら忘れるっす。
古川　そうもいかないことがあるよ、そのうち。

ーーー2026年Bプレミア参入について、どんな思いがありますか？
赤穂　チームとしては、絶対Bプレミア（新B1）を目指すだろうなって思っていますし、フロントの人に任せつつ、レギュレーション的にどうなんだろうなってとこは正直ありますね。外国籍選手も４人ぐらい出れるんでしたっけ。
古川　俺、今年で36歳でしょ、2026-27シーズンが39歳。……まだまだバリバリ走りたいなと思ってます！（笑）
赤穂　見えないっすね。
古川　見えないように頑張るわ。もっと走るわ（笑）

ーーー今シーズン、ここを見てほしい！というところは？
赤穂　秋田に来てから常々言われている「身体をぶつけるプレー」を見て欲しいっす。
古川　自分はチームが勝つ姿を見せられたらいいなと。チームのためにやれることをやって、コミュニケーションをとって、みんなを繋げられるようにしていきたいなと思う。
自分自身のパフォーマンスを出すことはもちろん、「勝つ」ことが大事だと思うんで。今年は勝って結果を残さないといけない、間違いなく重要なシーズン。ちゃんと勝つ姿を皆さまにお見せしたいと思います。

ーーー最後に、今シーズンへの思いを教えてください。
赤穂　すごい楽しみです。もう一度B.LEAGUEチャンピオンシップに戻るというチームとしての目標もあるので、そこを達成するために自分の力を出して少しでもチームに貢献できればと思ってます！
古川　新ユニフォームの発表会でユニフォームに袖を通した時に、いよいよ今シーズンが始まるなと実感した。一昨年、去年の結果を踏まえても、チームとしても会社としても結果を残さないといけないシーズン。掲げた目標の達成に向けて自分たちにできることを、選手みんながもう一度よく考えて成長しないといけないと思っています。一人一人の成長がチームの成長につながる。見に来てくださるファンの方をがっかりさせないためにも、選手個人が責任と自覚を持ってプレーしていきます。

赤穂雷太は現在25歳。196センチ94キロの体格を誇るシューティングガード兼スモールフォワード。2020から2シーズンにわたって千葉ジェッツでプレーし、2022-23シーズンに横浜BCでプレー。「日本生命B.LEAGUE CHAMPIONSHIP2022－23」では4試合すべてに先発出場し、同4得点1リバウンドをマークした。また、「第19回アジア競技大会」2023年9月23日～10月8日に男子日本代表に選出されている。