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- 2026年、Bリーグプレミアへ 秋田ノーザンハピネッツ水野社長インタビュー
日本のバスケットボール界に大きな波が来ている。2026年の「B.革新」によってスタートするB.LEAGUE PREMIER(Bプレミア)。
これまでのリーグ構造が大きく変わり、現在のB1はBプレミア、B2はB.LEAGUE ONE(Bワン)、B3はB.LEAGUE NEXT(Bネクスト)へと変更される。
特に日本最高峰のレベルを誇り、世界で戦うことを視野に入れたBプレミアへの参入には、入場者数・売上基準・アリーナ基準など厳しい審査基準が設けられている。
そんなBプレミアへ参入するために、秋田ノーザンハピネッツにとって今季は非常に重要なシーズンになると言う。
今シーズンの課題とBプレミア参入へかける思いを、秋田ノーザンハピネッツ水野勇気社長に伺った。
【インタビュアー】
秋田ノーザンハピネッツ アシスタントMC / 森川のどかさん
ーーー来たる「B.革新」、2026年のBプレミア参入へ向け、どのような課題がありますか? 秋田ノーザンハピネッツの取り組みとは?
Bプレミアという新B1リーグへの参入を目指すにあたって、僕たちは3つの条件をクリアしないといけません。平均入場者数4,000人以上、クラブ売上高12億円、Bプレミアの基準を満たすアリーナを2028年のシーズンまでに建設すること。この3つです。
我々がまず今シーズン絶対にクリアしなければいけないのは、平均入場者数4,000人。クラブとしての売上12億円というのもしっかり達成しないといけないですが、特にハードルが高いのが平均入場者数の方です。
昨シーズンは平均入場者数約3,500人と、過去13シーズン中では最高の観客数だったもののまだ平均で500人ほど足りていません。シーズン中の30試合でコンスタントに4,000人以上の方にご来場いただかなければ達成できないので、大変なチャレンジになると思っています。
ですが、Bプレミアへの参入については、東北の中では秋田ノーザンハピネッツが間違いなく一番近い位置にいます。何としても達成したい。そのためには多くの秋田県民の皆さんに試合会場に足を運んでいただく必要がある。そういう意味で言うと、やっぱりチームが勝つことも大事です。
特に昨シーズンはホームゲームで勝てませんでした。ホームで10勝20敗、アウェイで19勝11敗でしたので、今シーズンはホームゲームでもしっかり勝っていく。チームには頑張ってもらいたいと思っています。
ーーーBプレミアが始まる2026年はまだ数年先ですが、なぜ今シーズンが大切なのでしょうか?
まさに2023-24シーズンが、参入を決めるシーズンになっているからです。今シーズンで先ほど挙げた3つの条件をクリアする必要がある。
Bプレミアに入るための審査は、1次審査、2次審査、3次審査という段階に分かれていて、1次審査で参入を決めるためには昨シーズンから2シーズン連続で平均入場者数4,000人と売上12億円を達成しないといけませんでした。残念ながら秋田ノーザンハピネッツは昨シーズン平均入場者数3,500人ということで、達成することができなかった。
昨シーズンその基準をクリアしたのは琉球、A東京、千葉、川崎、宇都宮の5チーム。この5チームは、今シーズンもまたその基準をクリアできれば1次審査でBプレミア参入を決めることになります。Bプレミアは最大18チームで始める予定で、先ほどの5チーム以外は、2次審査、3次審査へとまわっていくことになります。
2次審査では10月から始まる2023-24シーズンで平均入場者数4,000人、売上12億円以上、アリーナ要件に達する必要があります。僕らが2次審査でしっかり合格するために、何としても今シーズン、この基準を達成しなければいけません。
「B.革新」によってリーグ構造が大きく変わるもうひとつの点は成績による昇降格の廃止です。今まではB1、B2、B3のリーグ間で昇降格があり、例えば秋田ノーザンハピネッツはBリーグ発足初年度に降格し、B2で戦ったシーズンもあったんですが、その後B1に昇格しました。Bプレミアではこの成績による昇降格がなくなる。日本のプロスポーツで言うといわゆるプロ野球型、アメリカのメジャースポーツだとメジャーリーグやNFLアメリカンフットボール、こういったクローズドなリーグになります。なので今回参入することができれば、秋田ノーザンハピネッツもずっと一番高いレベルのカテゴリで戦うことができるんです。
ーーー秋田ノーザンハピネッツのBプレミア参入が達成された暁に、地域社会に生まれることとは?
まず最初に、国内で一番レベルの高いトップリーグの試合を見られるということで、楽しいゲームを提供できると思います。Bプレミアで勝利を重ねていければ、アジアや世界の大会に出るという道筋ができてくる、という楽しみもあります。
東北から何チームがBプレミアに参入するかにもよりますが、今Bプレミア参入に最も近い位置にいるのが我々秋田なので、東北で唯一Bプレミアに参入することになれば東北の近隣の方々が試合を見に来てくれるようになる期待もあります。
2028年までの完成を目指した新アリーナでは格段に観戦環境も良くなっていると思いますし、秋田の方々により充実したアリーナエンターテインメントを楽しんでいただけるようになっているはずです。このように秋田の活性化への貢献という面においても、Bプレミアへの参入は非常に大切だと思っています。
2026年のBプレミア参入に向け、非常に重要なシーズンとなる2023-24シーズン。多くの方に試合会場に足を運んでいただき、応援をしてもらえればと思っています。