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- アランマーレ秋田 #55髙橋悠佳選手インタビュー
バスケット人気の高い秋田県だが、女子バスケの選手を知っている人はどれくらいいるだろうか?
一昨年から国内トップリーグのWリーグで戦うアランマーレ秋田に、秋田県出身の選手がいる。
新人としてリーグ戦デビューをした昨シーズンについて、そして秋田でバスケットを続ける想い。笑顔あふれるその素顔に迫った。
社会人1年目。昨シーズンが初めてのリーグ参戦だった髙橋選手。「率直にレベルが高いと思いました。自分の技術が通用しないことの方が多い。強いチームは選手それぞれが多くの経験を積んでいるので、それを越えるのは難しいなって。試合前はもしかしたらいけるんじゃないかって思うんですけど、終わってみるとやっぱり強いなというのが正直な感想でした」と振り返る。
日本代表も所属する強豪チームとの対戦では、代表以外の選手のレベルも高く、改めてその力の差を痛感する1年となったそうだ。
チームとしては勝利を増やした昨シーズン。とはいえ負けが続くこともある中でどのように気持ちを立て直していたのだろうか。
「1試合終わったら、もう次。その日は振り返りもするけど、1日オフを挟んだら、次!」と切り替えていたそうだ。特にリーグ後半は精神的にも疲れが溜まり、一日中寝ているオフの日もあったとか。それでも「まあいっか〜って思って」と笑う姿に良い意味で気負いは無い。「悪い時は振り返ってもモチベーションが落ちてしまうから振り返らない」。初めてのシーズンを戦う中で、自分なりに導き出した方法だという。
普段は寮と体育館を往復する毎日。だからこそオフの日には出かけたい派で、地元の友人とカフェに行くなど、誰かと一緒にいることが好きだという。学生時代から寮生活で、人と一緒の生活が当たり前。常に誰かがいる環境が自分には心地良かったと振り返る。
チームメイトとの仲の良さはアランマーレ秋田でも変わらない。「みんな先輩だけど、友達みたいに接してます」と髙橋選手は笑う。インタビュー前「ちゃんと話せる?」とスタッフにからかわれている様子はまさに愛され妹キャラだ。ふわふわしてるとチームメイトからは言われるそうだが、バスケットへの想いには芯が通っている。
「チーム全体で作り上げていく、みんなで喜びあえることが魅力だと思うんです。身体能力でカバーしてしまう男子と違い、女子は技術やチーム力でカバーする部分も多い。そういった繊細なプレーも女子バスケの魅力だと思います」
最後に「出身地である秋田でバスケをすること」について聞いてみた。「今までお世話になった方がいる場所なので、そういう場所で成長した姿を見せたい。小学生や中学生も見に来てくれるから、そういう子たちにも何か影響を与えられたらいいなと思うんです」
髙橋選手のコートネーム「ナナ」は、実は高校時代の先輩からの贈り物。「七色の虹のように輝いてほしい」という先輩からの想いが嬉しくて、社会人になった今でも使い続けているそうだ。
できないことができるようになって純粋に嬉しかった小学生の頃から、コートネーム「ナナ」が生まれた高校時代まで。秋田で過ごしたバスケット人生が髙橋選手の土台となっているのだろうか。そんな馴染みある場所にいるからこそ、安心して頑張れる。
「1年目はできることをやろうと思っていた。でも2年目はそれだけではダメだし、自分にも圧倒的な何かが必要だと思った。これからの練習を経て次のシーズンに挑みたい。」と目標を語ってくれた。「海外のバスケも見てみたい」と英語の勉強にも前向きだ。
まだまだ2年目、スポンジのようにどんどん吸収し、きっと自分のものにしていくのだろう。お世話になった方への想いを胸に、成長の1年になるのか。今シーズンの飛躍に期待したい。