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秋田県車椅子バスケットボールクラブ 小玉祐輔さん

障害の有無、男女の別、老若も関係ない
車いすバスケの魅力

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「車いすバスケットボールのカルチャー」を作りたい

障害の有無、男女の別、老いも若きも関係なく同じコートでプレーできるのが競技の魅力。
秋田県内の方に興味を持ってもらい、参加してもらい、選手が増えて、未来につながるチームを作っていきたい。
車いすバスケットボールについてそう話してくれたのは、秋田県車椅子バスケットボールクラブに所属する小玉祐輔さん。
小玉さんが競技を始めたきっかけや、その魅力について伺った。

車いすバスケットボール

「乗ってみなよ」から始まった

小玉選手が右下肢の関節の末梢神経が動かなくなる病気に罹ったのは20代半ばの時。当初は秋田県内の病院に通っていたが、将来の事を考え職業リハビリテーション機能もある埼玉県所沢の施設「国立障害者リハビリテーションセンター」へ自ら応募し、2009年に入所した。中学・高校時代はバスケットボール部に所属していた小玉選手が車いすバスケットボール競技に出会ったのはその頃のことだった。
「入所した施設に、車いすバスケットボールのサークルがあって。当時から競技の存在は知っていましたが、自分が日常的に車椅子を利用している訳ではなかったので参加資格自体ないだろうと思っていました。でも、サークルの見学に行ってみると『乗ってみなよ』から始まって。初めてのプレーでは何も出来ませんでしたが『ナイスラン!』『いいよ!』とすごくポジティブな声をかけて頂きました。チームには自分よりも若い方もいましたし、男女問わず競技を楽しんでいて、そういうところも『あ、いいな』と思ったきっかけのひとつですね」

車いすバスケットボール

車いすバスケットボールの選手として

この見学をきっかけにサークルに所属。1年ほど競技に打ち込んでいたところ、2010年の夏に東京のクラブチーム「COOLS」から声が掛かり、車いすバスケットボールのキャリアが始まる。選手として伸び悩んでいた時期もあったが、2013年の秋には全国障害者スポーツ大会の埼玉県選抜に選ばれた。
「チームは予選を突破し本戦に勝ち進んだんですが、ある試合の立ち上がりがものすごく悪くて。ゲームチェンジャーの役割で起用してもらった時に、自分の力を爆発させることができたんです。それでチームも勝つことが出来て。同じチームだったシドニーパラリンピック日本代表の石原選手から『お前がチームを勝たせたんだから、自信を持てよ!』とすごく嬉しい言葉を頂き、そこから頑張れるようになりました。クラブチームでも出場時間が増えましたね」

車いすバスケットボール

秋田へ戻り、競技を続ける

埼玉県選抜を経て2017年に秋田へと戻った小玉選手は現在、「秋田県車椅子バスケットボールクラブ」に所属。チームの練習日である毎週日曜日には、北は鷹巣・能代・三種、南は大仙市からメンバーが集合し、秋田市新屋の体育館で練習に取り組んでいる。
「今は2023年7月に開催される『天皇杯日本選手権東北ブロック1次予選会』に向けて頑張っています。一人でも多くの方が会場で応援してくれたら嬉しいですね」と語る小玉選手も、7月の試合に向け精励している。

車いすバスケットボール

車いすバスケットボールの魅力

最後に、車いすバスケットボールの魅力を教えて頂いた。
「コート上では常に何手か先の展開を考え、相手との駆け引きや展開を読んで先手を打つことを心掛けるんですが、そのイメージがカチっとはまって思い通りの展開を作れた時は楽しいですね。中学・高校の頃のバスケットボール部では補欠でしたし、身体能力はそんなに高くないと自分で認識していますが、車いすバスケットボールは頭で考える部分が大きい。コート上の自分以外の敵味方9人のパワーバランスとスペース、刻々と変わる状況を判断してプレーするので、基本的には駆け引き・騙し合い・仕掛け合い・引き出しの出し合いの頭脳戦で、自分の性分に合っていて非常に楽しいです。
車いすバスケットボールと普通のバスケットボールは、似て非なる競技だと私は思っています。車椅子の幅の分、どうしてもスペースが潰れたり、有効なスペースを活かしきれなかったり。フロアも狭いですしね。いかにしてアウトナンバーを作って戦っていけるか、タイミングを合わせるか。そんな高い競技性が魅力のスポーツだと思います」

お問い合わせ先 / 秋田県車椅子バスケットボールクラブ
Instagram / @akitawbc_team

[大会情報] 2023年7月22日(土)〜23日(日)
天皇杯 第49回日本選手権東北ブロック1次予選会
能代山本スポーツリゾートセンター アリナス

車いすバスケットボール
秋田県車椅子バスケットボールクラブ
小玉 祐輔 Yusuke Kodama
1982年11月16日生 / 秋田市出身(山形市生)
2009年〜2010年夏 / 国立障害者リハビリテーションセンター車椅子バスケットボールサークル「NRC」
2010年夏〜2018年春 / 東京ブロック「COOLS」
2013年〜2016年 / 埼玉県選抜
2017年〜秋田県在住
秋田県車椅子バスケットボールクラブ 小玉祐輔さん
秋田での公式戦に出場した秋田WBC所属の小玉選手に初日2試合の感想を伺い、写真とともに振り返る。
2023.07.26