1. HOME
  2. OTHER
  3. 秋田ノーザンブレッツの選手から、珈琲専門店「08COFFEE」の経営者へ
OTHER
08COFFEE

秋田ノーザンブレッツの選手から、
珈琲専門店「08COFFEE」の経営者へ

OTHER

秋田ノーザンブレッツの選手として

珈琲専門店「08COFFEE」を営む児玉和也さんは、秋田県五城目町出身の元ラグビー選手。秋田工業高校ラグビー部で主将を務め、日本代表として高校時代にニュージーランド、大学時代にウェールズへの海外遠征を経験。2004年に秋田ノーザンブレッツに所属した。
「サラリーマンとして働きながら、秋田国体が開催された2007年までの3年間、秋田NBには在籍していました。国体では優勝することもできて、あの時は楽しかったですね」
当時の秋田NBは、前身である秋田市役所ラグビー部から引き続き所属している選手が多く、「トップリーグに入る」という明確な共通目標に加えて秋田国体の開催が控えていたこともあり、チームのモチベーションは高く練習の雰囲気も良かったという。岩手の強豪・釜石という身近なライバルチームの存在も良い刺激になっていたそうだ。
「でも、その頃から動きのイメージと身体が全然釣り合わなくなってきて。思うように脚も動かないし、これ以上ラグビーを続けるのは難しいと感じ、26歳で引退を決意しました」
その決断は、新たなステージへの転換点となった。
「引退と同時に、飲食店の開業を目指して仙台への移住を決めました。飲食の道に行くタイミングとしては遅い方でしたが、ここを逃してはいけないと思ったんです」

仙台での3年間の飲食修行、そして08COFFEE開業へ

2007年に結婚し、子どもも授かっていた児玉さん。仕事を辞め、秋田NBも引退し、全てをリセットして家族とともに仙台へと移り、レストランで飲食修行をする日々が始まった。
「後に引けない状況を作り、退路を絶って行きました。仙台での3年間は本当に大変で、妻にも苦労をかけました。彼女のおかげで今の店があると言っても過言ではないです。僕一人では絶対に無理でした」
飲食について学ぶうちに料理よりもコーヒーに興味が沸き、コーヒーに特化した店を始めたいと思うようになったという。
仙台での生活を終え、2011年4月、児玉さんは家族と共に秋田に戻った。同年7月に開業した「08COFFEE」は、2023年で12年目を迎える。

08COFFEE
08COFFEE

(写真)店名の「08」は、現役時代の背番号「ナンバーエイト」から。ラグビーの重要なポジション。

スポーツと経営についての思いを伺う

ーーー飲食に興味を持ち始めたのはいつ頃でしたか?

東京の大学に通っていたんですが、4年生の時に留年して。その時期に初めて飲食店でアルバイトをして、そこで興味を持ち始めました。卒業後は企業のラグビー部への入部も決まっていたんですが、留年のため卒業することができず、内定も取り消しになったことで、飲食の仕事に出会ったんです。 アルバイト先の東京のお店の印象はかなり強かったですね。それまでずっと寮生活でラグビーしかしていなかった中で、知らない世界を見たのが楽しかったんです。大学5年生にしてすごく大学生らしいことをして(笑) 「なんだこれ、楽しいな。いつか自分でお店をやってみたいな」と思うようになりました。

ーーー「08COFFEE」を開業した当時、どのようなお店を目指していましたか?

最初から高い志があったわけではないんです。多店舗展開の考えも当時からありませんでした。ただ、秋田に恩返ししたいという気持ちはありましたね。秋田に対しても、ラグビーに対しても、「育ててもらった」と思っていました。 社会貢献できるツールとして、今の自分にはコーヒーがあります。08COFFEEという店が成り立ち、この街に根付くことが、この街に対しての恩返しになるだろうと考えています。

08COFFEE

ーーー仕事とラグビー、向き合い方に違いはありますか?

妥協できない性格なこともあって、やる時はとことんやるというスタイルは同じですね。仕事もラグビーも、中途半端にせず全力でやり切ることを目指しています。

ーーー現役を引退してから15年。今、秋田ノーザンブレッツにどのような思いがありますか?

秋田NBの選手としてプレーしていた頃は「ラグビーをやらせてもらっている」という感覚がありませんでした。たくさんの方々が資金を出して支えてくれるからチームは成り立っているのに、僕は感謝の気持ちをその方々に全然伝えていなかった。とても申し訳なく、後悔もしています。「応援していただいて、本当にありがとうございました」と、支えてくださっていた方々に伝えたいです。 現役の選手にも、この感謝の気持ちを忘れないでほしいですね。「試合で結果を残すことが一番だ」と考えているかも知れませんが、感謝の言葉をきちんと伝えられる選手やチームであってほしいなと思います。 創立からいた僕たちが根付かせなければいけなかった部分だったと、自分自身の後悔とともに責任を感じることではありますが、これからチームが歴史を積み重ねていく中で、新しく入ってきた選手たちにもこの気持ちを大切にして臨んでもらいたいと思います。 そして、たくさんの人に応援してもらえるチームになってほしいですね。

[08COFFEE]
秋田市山王新町13-21 三栄ビル2F
Tel&Fax 018-893-3330 / 営業時間 10:00~20:00 (土・日・祝) 8:00~18:00
定休日 水曜日

08COFFEE
株式会社08COFFEE代表取締役
児玉 和也
Kazuya Kodama
1980年10月23日生
南秋田郡五城目町出身
秋田工業高校ラグビー部主将・専修大学出身
2004年-2007年秋田NB所属
2011年7月 08COFFEE開店