北都銀行バドミントン部NO.7
小松選手インタビュー

2023.12.20

バドミントンを続けてきた理由を
結果で証明するシーズンに

バドミントン選手として15年、北都銀行所属から５年を迎え、バドミントン界ではベテラン世代にあたる小松選手。
昨シーズン、日本代表・松本選手とダブルスを組んだ試合でパワフルなプレーを見せてくれた彼女の競技人生には、逆風も多く吹いていた。
壁を乗り越えバドミントンに打ち込み続けてきた小松選手に、これまでの競技人生や今シーズンへ向ける思いを伺う。

バドミントンに触れたきっかけは、
母親の意外な言葉

小松選手がバドミントンと出会ったのは小学２年生の時。元々は、以前からやっていたテニスを続けようと思っていたと言う。しかし、小松選手の出身地である高知県土佐市は高温多湿な気候。夏は35度を超す猛暑が続くこともある環境で、「日に焼けるからダメ」と母親からのストップが。
「テニスがダメならと室内競技を探して、バドミントンがいいんじゃない、と母が言うので」
こうして小松選手のバドミントン人生が始まる。母親に勧められて始めた競技だが「今はやっぱり、バドミントンをやってきて良かったなと思います」と少し照れたように微笑む。

15年の選手生活、立ち塞がった３度の壁

小学２年から社会人に至るまでの選手生活の全てが順風満帆だったわけではなかった。中学３年と高校３年という区切りの年に大きな怪我を負い、県や地方の大会で結果を残すことはできたものの苦しい時期を過ごす。さらに北都銀行に来て４年目のシーズンでも大きな怪我に苦しめられた。それでも、小松選手の気持ちが競技を辞める方向へと揺らぐことは一度もなかった。
「バドミントンを辞めたいと思ったことはありません。怪我でドン底まで落ちたからこそ『次はもっと強くなれる。次は絶対結果を残してやる』と前向きな気持ちで受け入れられました。だから今も競技を続けられていると思います」

周囲からの応援と期待

高校卒業後すぐに企業に所属し選手となる場合、３〜４年で結果を出せなければ競技の続行は難しいとされているバドミントンの世界。しかし北都銀行バドミントン部女子チームの監督・佐々木翔さんは「北都では、可能性がある間は頑張ってほしい」と小松選手に期待を寄せている。
「去年は松本選手と組んで良い結果を残してきたので、これまで培ってきた経験が活きてくると思います。日本代表の先輩方にリードしてもらって選手として花を咲かせて『選手として北都で頑張って良かった』と思える選手生活を送ってほしい」
ひたむきに競技に打ち込み、逆境が多くとも決して折れることのなかった小松選手へと向けられた佐々木監督や周囲の期待は大きい。

競技の外での楽しみ

たくさんの選択肢の中から秋田でプレーすることを選んでくれた高知出身の小松選手。競技に打ち込む合間には、秋田での生活も楽しんでくれていると言う。
「ご飯がすごく美味しいなって感じますね。昨年は男鹿の花火に行きました。大曲の花火も盛大で本当にすごい。また行きたいなって思っています」
秋田の食やイベントを満喫する一方、普段の気軽な気分転換としてはカプセル自動販売機の「ガチャガチャ」がマイブーム。何が出てくるか分からないワクワク感が楽しく「後輩も連れて行きます」と笑った。

来たる今シーズンは挑戦の年に

2023年11月には、バドミントン団体戦の国内最高峰である「S/Jリーグ」がいよいよ開幕する。昨年に続き結果を残すべく、小松選手も意欲に燃える。
「昨年は松本選手の力を借りて結果を出すことができました。今シーズンは後輩の田中果帆選手と組んでいるので、今まで先輩に引っ張っていただいた分、今後は自分がリードして力を合わせて結果を残していきたい。そして何より、後悔のないようにしたいと今は強く思います。先輩方も世界を相手に戦っている。私も自分の場所で戦って、バドミントンを続けて来た理由を結果で証明したいです」
新たなパートナーである田中選手と共に、2023年は挑戦のシーズンとなる。来たる今シーズンに向けた思いを話してくれた小松選手の静かな語り口からは、バドミントン選手として自分自身に誰よりも期待する確かな思いと、芯の通った強い意志が感じられた。