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プロ・実業団・クラブチーム
秋田ノーザンハピネッツ株式会社所属レスリング競技 岩澤希羽選手

秋田ノーザンハピネッツ株式会社
レスリング競技 岩澤さんインタビュー

企業×アスリート
岩澤希羽選手インタビュー

秋田ノーザンハピネッツ株式会社に所属し、フロントスタッフとして活動しながらレスリング競技に取り組む岩澤希羽選手。
大学時代はオリンピックのメダリストたちと共に汗を流し、全国大会などで優秀な成績を収めてきた。
秋田ノーザンハピネッツで働きながら競技を続ける岩澤選手に、企業×アスリートの視点からお話を伺った。

秋田ノーザンハピネッツ株式会社所属レスリング競技 岩澤希羽選手
秋田ノーザンハピネッツ株式会社所属レスリング競技 岩澤希羽選手

ーーー子どもの頃の育った環境と、レスリング競技を始めたきっかけや時期を教えてください。
秋田県で生まれて青森県八戸市で育ちました。
両親はレスリングをやっていなかったんですが、八戸市はオリンピックメダリストの伊調姉妹の出身地なんです。
その二人も通っていた「ちびっこクラブ」で、5歳のときから始めました。

ーーーそのクラブを選んだのはなぜですか?
そのときちょうど、アテネオリンピックで伊調姉妹が活躍していた時期で、たくさん新聞に載っていたんです。
母親が新聞でクラブの生徒募集の広告を見つけて、母親に勧められる形で体験会に行きました。
クラブではまずマット運動や鬼ごっこをやったので、その時はまだレスリングクラブとはよく知らずに。
マットで前転したり動いたりするのが楽しかったから入った、という感じでした。

ーーー中学校、高校は部活動に入っていましたか?
中学校では陸上部に入っていました。レスリングクラブでの練習に行きやすい部活だったので。
陸上の大会にも出て、100メートルの県大会にも出場しました。
八戸工業高校でレスリング部に入り、伊調姉妹のお姉さんである伊調千春選手に3年間直接教えてもらっていました。
私が幼かった頃から、伊調先生は八戸へ帰省してきたタイミングで練習に来てくれて、直接教えてもらうこともありましたね。
高校の時の成績は、インターハイで1回戦負けで、全国大会での3位が最高成績でした。

ーーーその後の進学先に至学館大学を選んだ理由は?
伊調先生が中京女子大学(現在の至学館)の卒業生で、「至学館に入ったら強くなれる」と言われたからです。
見学に行ってみると、インターハイで優勝したり、国際大会で活躍している人など、自分以外はそんな選手ばかりが集まっていました。
それでも強くなりたいと思って、至学館を選びました。レスリング部に入部してからは、オリンピックメダリストの吉田沙保里さんや登坂絵莉さんたちと一緒に練習をしていました。

秋田ノーザンハピネッツ株式会社所属レスリング競技 岩澤希羽選手
秋田ノーザンハピネッツ株式会社所属レスリング競技 岩澤希羽選手

ーーー大学のレスリング部での成績は?
明治杯全日本選抜選手権大会での2位が最高成績でした。
今は62キロ級に出場していますが、大学生の時は1つ下の59キロ級で出場していました。

ーーー練習できつかったことは?
3月1日に高校の卒業式があり、その直後の3月6日には大学の寮に入って……練習がきついことは分かっていましたが、入部初日にロープ登りのトレーニングをいきなり20本やるように言われ、正直「えー!」って思いました。
手の皮がめくれちゃって、シャンプーもできないぐらいでした。
1年生最初の1週間が一番きつくて、それがすごく記憶に残っていますね。

ーーーレスリングを続けてきた理由は?
小さい頃から今までずっと、いつも環境に恵まれているところが大きいと思っています。
オリンピックのメダリストがいる環境で競技を始めて、大学でも強い選手がたくさんいて。
そういう環境に出会っていなかったら、20年以上もレスリングを続けられなかったと思います。

秋田ノーザンハピネッツ株式会社所属レスリング競技 岩澤希羽選手
秋田ノーザンハピネッツ株式会社所属レスリング競技 岩澤希羽選手

ーーー秋田ノーザンハピネッツ株式会社へ入社したきっかけを教えてください。
大学4年生の時に、レスリングを続けるか続けないかも含めて、これからどうしようか考えていました。
レスリングをやらないにしても、関東で一人暮らしをしていくにはお金もかかるなと考えた時「母の実家がある秋田市に戻るのもいいかな」と思ったんです。
妹も秋田商業高校でレスリング部でしたし、秋田で練習できる環境もあるだろうと思って、秋田で競技を続けられたらいいなと考えるようになりました。
秋田ノーザンハピネッツを選んだのは、秋田の企業を調べている時、ラート競技の髙橋靖彦さんがハピネッツ社でスポーツと仕事を両立しているのを知ったからです。
「レスリングで入れるかな」と思い連絡すると、水野社長は「面白そうだね」と受け入れてくれました。

ーーー会社ではどんな仕事をしていますか?
ジュニアやシニアの方のスポーツ教室を担当しています。
そのほかに、ホームゲーム会場の設営と運営もやっています。

ーーー社会人としてレスリングを続ける上で大変なことは?
レスリングは階級があるので、減量がきついです。
入社して最初の試合で体重を落とせず、大会に出場できなかったことがありました。そこからは本当に気をつけるようになって。
学生のときは練習量が多かったので、減量についてそこまで心配していなかったのですが、社会人になってからは練習量が確実に減り、どんどん蓄えてしまって。
社会人になってからは特に減量が大変だと感じています。

ーーー食生活で気を付けていることは?
3食きちんと食べるようにしています。朝はご飯、味噌汁とバランスよくしっかり食べた方がいいことに気づいて。
その方が代謝も上がるし、動くとすぐ汗が出るので。

ーーー好きな食べ物は?
甘いものです。アップルパイが一番好きです。

秋田ノーザンハピネッツ株式会社所属レスリング競技 岩澤希羽選手

ーーーレスリングの好きなところは?
シンプルに楽しいです。レスリングは駆け引きもあるのが面白くて、そこも魅力のひとつです。
大学生の時はとにかく練習をやるしかない環境でしたが、今は自分でメニューを考えられるのが楽しいですね。
考える時間も充実しています。

ーーー相手選手と組んでいる時はどんなことを考えますか?
レスリングは、3分×2ピリオド(インターバル30秒)合計6分の試合ですが、例えば自分が負けている状況だと、焦るというか、技を取りに行かないといけない気持ちになります。
逆に、自分が勝っている時に残り20秒だと「相手に技を取られないように」とか「下がったらやられる」などを考えています。
最初組み合う時は慎重にとか、相手の動きを見ながら、状況に応じて気持ちも変わってきますね。

ーーー社会人として競技を続ける今の環境について、どんな気持ちを持っていますか?
他の方とは違う働き方で、夕方には練習に行かせてもらっているので、感謝するとともに頑張らないといけないと思っています。
秋田ノーザンハピネッツのホームゲーム会場でも「レスリングの選手ですよね」と話しかけてくれる人も多いです。
ジュニアスポーツ教室の子どもたちやお母さんたち、シニアスポーツ教室の人たちも「試合頑張ってください」と声をかけてくれたり、みなさんすごく応援してくれているので、それに応えたいと思っています。

ーーー今後の目標を教えてください。
6月中旬に開催される明治杯全日本選抜レスリング選手権大会で表彰台に上がるのが目標です。
この大会は、全国大会で入賞している人が出場できる大会で、私が出場する62キロ級は選手層が厚く、強い選手がたくさんいますが、目標の表彰台に立てるよう、毎日の練習に力を入れていきます。
(取材時 2025年4月23日)

秋田ノーザンハピネッツ株式会社所属レスリング競技 岩澤希羽選手
Kiwa Iwasawa
岩澤 希羽
秋田ノーザンハピネッツ株式会社所属
レスリング競技
1999年2月8日生まれ
秋田県出身 / 八戸育ち
経歴 / 八戸工業高校 至学館大学
秋田ノーザンハピネッツ株式会社
(2021年4月入社)
秋田ノーザンハピネッツ ラート競技
企業に勤めながら選手として第一線での活躍を続けている髙橋さんに、企業に勤めるきっかけやその思いを伺った。
2023.06.05